福岡に暮らしていながら、「元寇防塁跡」へ行ったことがないという方は意外と多いのではないでしょうか。
私もその一人でした。
自宅からそれほど遠くないのに、なかなか足を運ぶ機会がありませんでした。
ところが最近、入口付近にコインパーキングができたので、ようやく訪れてみることに。
結果として、「行ってよかった」と素直に思える場所でした。
元寇防塁とは?
鎌倉時代、1274年の「文永の役」で元軍(モンゴル軍)が博多湾に襲来した後、再びの来襲に備えて鎌倉幕府が築いたのが元寇防塁です。
博多湾沿いに約20kmにもわたって石を積み上げた防塁(石築地)で、現在もその一部が**生の松原(いきのまつばら)**に残されています。
静かな松林に囲まれたその石積みは、700年以上の時を超えて今もなお、当時の緊張感を伝えてくれます。
松林を抜けると、異世界のような空気
駐車場の裏手に、松林が広がっています。
この松林が本当に心地よい。
一歩足を踏み入れると、空気がスッと変わるのがわかります。
街の喧騒から離れ、まるで異世界に迷い込んだような静けさ。
木漏れ日の中を進むと、やがて穏やかな波の音が響いてきます。
視界がひらけた先に、石で創られた海岸線と博多湾が広がります。
その少し横手に「元寇防塁跡」の石積みが現れます。
百道浜とは違う、“波の音が聞こえる海”
普段よく散策する百道浜の海岸では、砂浜が広く波の音はあまり感じられません。
でも、生の松原の海岸では違います。
人も少なく、波が近く、静かに「ザザーッ」と響く音が心地よく耳に届きます。
海を眺めながらゆっくりと深呼吸。
それだけで不思議と心が落ち着く場所です。
歴史を感じながらリセットしたいときには、ちょうどいい小さな散策コースだと思います。
ちょっとした休日におすすめの“静かな史跡”
生の松原の元寇防塁跡は、観光地というより“地元の静かな歴史スポット”。
派手さはありませんが、松林・石積み・波の音が織りなす空気感には、他では味わえない趣があります。
「少しだけ自然に触れたい」「静かに歴史を感じたい」
そんなときに、ふらっと立ち寄るのにぴったりの場所です。
📍アクセスメモ
- 所在地:福岡市西区生の松原(今宿駅から徒歩約10分)
- 駐車場:入口近くにコインパーキングあり
- 所要時間:散策15〜30分ほど
💬まとめ
元寇防塁跡は、単なる史跡ではなく、
「静けさの中に時間が止まっているような」特別な場所です。
観光地の喧騒に疲れたとき、
少し足をのばして、生の松原の松林を歩いてみてはいかがでしょうか。

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