住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」が実施した調査によると、住宅ローン金利の上昇局面でも、住宅購入予定者の56%が変動金利を選ぶと回答しました。
一方で、住宅ローンを最後まで返済できるか不安を感じている人は95%を超えており、多くの人が将来への不安を抱えながら住宅購入を検討していることも分かっています。
金利が上がり始めた今でも、なぜ変動金利を選ぶ人が多いのでしょうか。
変動金利を選ぶ人が過半数という調査結果
今回の調査では、住宅ローン利用予定者の56%が変動金利を選択すると回答しました。
また、金利上昇によって住宅購入に慎重になった人はいるものの、「購入意欲に変化はない」と回答した人も一定数おり、金利が上昇したからといって住宅購入を諦める人ばかりではないことが分かります。
一方で、住宅ローンを最後まで返済できるか不安を感じている人は95%以上にのぼりました。
住宅価格の上昇に加え、物価高や将来の金利上昇など、住宅購入を取り巻く環境は以前より厳しくなっています。それでも、多くの人がマイホーム購入を前向きに検討しているのが現在の状況と言えるでしょう。
変動金利が選ばれる理由とは
私は、現在の状況で変動金利を選ぶこと自体は、十分に合理的な判断だと考えています。
その理由は、固定金利との金利差がまだ大きいためです。
将来的に変動金利が上昇するとしても、固定金利を上回る水準になるまでには、ある程度の時間がかかる可能性があります。
また、住宅ローンは返済当初ほど利息の割合が大きくなります。
そのため、最初の数年間を低い金利で返済できるメリットは決して小さくありません。
もちろん将来の金利動向を正確に予測することはできませんが、現時点では変動金利を選ぶという判断には十分な理由があると思います。
「選んでいる」というより「選ばざるを得ない」人も増えている
もう一つ感じるのは、多くの人が積極的に変動金利を選んでいるというより、「変動金利しか選べない」という状況も増えているのではないかということです。
福岡でも新築マンション価格はここ数年で大きく上昇しました。
固定金利を選択すると毎月の返済額が増え、希望する物件の購入が難しくなるケースも少なくありません。
その結果、50年ローンやペアローンを利用し、さらに変動金利を組み合わせることで、毎月の返済額を抑えて購入する人が増えています。
つまり、変動金利が選ばれている背景には、「低金利だから」という理由だけでなく、「住宅価格の高騰によって、それ以外の選択肢を取りにくくなっている」という現実もあるように感じます。
これからは住宅購入後の出口戦略も重要になる
一方で、気になる点もあります。
50年という長い返済期間の中で、日本経済や金利がどう変化しているのかは誰にも分かりません。
収入や家族構成、ライフスタイルも変わるでしょう。
だからこそ、住宅ローンは「借りられる金額」だけで判断するのではなく、将来金利が上昇した場合にどう対応するのか、住み替えや売却という選択肢はあるのかなど、住宅購入後の出口戦略まで考えておくことが大切だと思います。
住宅ローンは借りることがゴールではありません。
住宅を購入した後、どのように返済し、暮らし、将来どのような選択をしていくのかまで考えることが、これからの時代にはますます重要になってくるのではないでしょうか。
住宅購入後の出口戦略については、繰り上げ返済や住み替え、資産価値との関係なども含め、あらためて詳しく取り上げてみたいと思います。