2025年国勢調査の速報値が公表され、福岡市の人口が166万3892人となったことが分かりました。
前回調査から約5万1500人増加し、人口増加率は政令指定都市でトップとなっています。
このニュースだけを見ると、
「福岡は成長している」
「福岡は勢いがある」
という印象を受けます。
実際、天神ビッグバンや博多駅周辺の再開発が進み、街を歩いていても活気を感じる場面は少なくありません。
しかし、今回の数字を見ていて個人的に気になったのは別の部分でした。
福岡市は増えている。でも福岡県は減っている
実は福岡県全体の人口は減っています。
福岡市が約5万1500人増えた一方で、福岡県全体では約5万3000人減少しました。
また、
・北九州市
・久留米市
などでは人口減少が続いています。
つまり今回の数字は、
「福岡が成長している」
というより、
「福岡市に人口が集中している」
と見る方が実態に近いのではないでしょうか。
人口増加の中身は何なのか
もちろん福岡市の魅力が高まっていることは間違いありません。
ただ、今回の人口増加は、
・九州各地からの流入
・大学進学
・就職による転入
・企業進出
などの影響が大きいように思います。
出生率が大きく改善しているわけではなく、日本全体の人口が増えているわけでもありません。
福岡市は人を生み出しているというより、人を集めている都市になっているのです。
天神ビッグバンも無関係ではない
この流れに拍車をかけているのが、天神ビッグバンをはじめとする再開発かもしれません。
オフィス、商業施設、ホテルなどが次々と建て替わり、福岡市の都市機能はさらに高まっています。
企業が集まり、人が集まり、さらに投資が集まる。
その結果として人口集中が進んでいる側面もあるでしょう。
住宅価格上昇の背景にもあるもの
この人口集中は住宅市場にも大きな影響を与えています。
人が集まれば住宅需要は増えます。
さらに再開発によって地価が上昇し、都市としての価値が高まれば投資マネーも流入します。
現在の福岡市では、
・マンション価格の高騰
・住戸面積の縮小
・中央区の価格上昇
・郊外人気の高まり
などが続いています。
住宅価格が上がっている背景には、単純な住宅需要だけでなく、「福岡という都市への投資」があるようにも感じます。
福岡市は住みやすくなるのか
福岡市への人口集中は、正直なところ数年前から予想されていた流れです。
今回の国勢調査速報を見ると、その流れにさらに拍車がかかっているようにも感じます。
ただ、日本全体の人口が増えているわけではありません。
今回の数字から見えてくるのは、「福岡市への一極集中が加速している」という事実です。
そして、この流れは福岡市が住みにくくなるまで続くのかもしれません。
実際に住宅価格は上昇を続けており、以前なら手が届いたエリアでも購入が難しくなっています。
また、都心部の賃料上昇によって、個性的な個人店が減り、大手資本の店舗が増える流れも進むでしょう。
天神を歩くと、どこの都市でも見かけるような店舗が増え、「ミニ東京化」が進んでいく可能性もあります。
一方で、その反動として北九州や久留米などのエリアが再評価されることもあるかもしれません。
都心ではなく郊外に暮らし、必要な時だけ福岡市へ出る。
そんな選択肢を選ぶ人も増えていく可能性があります。
また、今は郊外の大型商業施設いわゆるモールは、お店の内容は画一的ですが、将来的には個性的な店が集まるモールなどに変わっていき、郊外の方が魅力的なショップがあるという逆転現象も起きるかもしれません。
福岡市への一極集中は、これからも街を大きく変えていくでしょう。
その変化は住宅価格にも、街並みにも、暮らし方にも影響を与えます。
さて。
福岡市はこれから、さらに住みやすい街になるのでしょうか。
それとも住みにくい街になるのでしょうか。
その答えは、まだ誰にも分かりません。
