2026/07/10 福岡新築マンションの物件情報を更新しました。 詳しくはこちら

The Opus/MEドバイ(ドバイ)

ブルジュ・ハリファからほど近い一角に、四角い巨大なガラスの塊が浮かんでいます。近づくと、その中央にぽっかりと穴が空いていることに気づきます。2本のタワーが上下でつながり、真ん中に不定形の空洞を抱えたこの建物は「The Opus」。中に入っているのがME Dubaiです。

ドバイには目を引く建築が数多くありますが、今回の滞在で個人的に一番見たかったのがこの建物でした。ザハ・ハディドの建築はこれまでにも何度か目にしてきましたが、そのどれもが見る人を圧倒してきます。写真では何度も見ていたはずなのに、実物を前にすると、人工物でありながらどこか自然物のような有機的な存在感に息をのみました。ずっと眺めていても飽きない、というのが率直な感想です。

なぜこの形なのか ― ザハ・ハディド、最後の意志

この造形を手がけたのは、建築家ザハ・ハディドです。デザイン自体は2007年に発表されましたが、完成は彼女が2016年に亡くなった後の2020年でした。The Opusは、ハディドが外観だけでなく内装・家具までを自ら手がけた、唯一のホテルプロジェクトとして知られています。ロビーのソファやオットマンも彼女自身のデザインで、なかでもロビーのソファは制作に3年を要したと言われています。直方体という秩序だった形の中に、有機的で流動的な空洞を穿つ ― 「固いものと柔らかいもの」「幾何学と流体」という、彼女らしい対比がそのまま建物になった形です。

この形を、どう実現したのか

2棟のタワーは、地上4層分のアトリウムと、地上71mの高さにかかる3層分の橋でつながっています。この橋がタワー同士を結び、外から見ると「穴」に見える空洞を作り出しています。空洞の内側の曲面は、4,300枚の個別に成形されたガラスパネル(平面・単曲面・複雑な二重曲面のものが混在)で覆われており、夜には一枚ごとに制御可能な照明が埋め込まれ、まるで星座のように光ります。

曲線に包まれるロビー

エントランスを抜けると、まさにこの「穴」の真下がロビーになっています。空洞のガラス天井から自然光が落ち、その周囲を3層分のギャラリーとバルコニーが取り囲む構成です。宇宙船の内部のような未来的なデザインと、圧倒的なスケールの吹き抜け空間。天井のガラス越しに、空洞の向こうに広がる外の景色まで見えるようになっていて、どの角度から切り取っても絵になる空間でした。

泊まらなくても楽しめる場所

エントランスフロアからホールの最上階まで、宿泊者でなくてもアクセスできます。ホール最上階にはソファが並ぶラウンジスペースと、アートを展示しているエリアがあり、ここまで行かないのは正直もったいないと感じました。客室や上層階の居室部分は宿泊者以外立ち入れませんが、この建物最大の見どころである「穴」とロビー・ラウンジ空間は、宿泊しなくても十分に堪能できます。

ブルジュ・ハリファ地区で異彩を放つ

ブルジュ・ハリファ地区は、直線的な超高層ビルが立ち並ぶエリアです。その中でThe Opusは、四角い外形を保ちながらも中央に有機的な空洞を抱えるという、周囲とは異質な存在感を放っています。奇抜さや異様さで人目を引く建築が多いドバイの中でも、実物を前にした圧倒感という点では、今回訪れた中でも一、二を争う建築物でした。ドバイを訪れるなら、ぜひ見てほしい一棟です。

MEドバイから見たブルジュ・ハリファ

※本記事は2024年6月の取材時点の情報をもとに構成しています。見学可能な範囲や施設情報は変更される場合があるため、訪問前に公式サイト等で最新情報をご確認ください。

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